本サイトでは”現役スポーツアナリスト”の「日々の学び」をブログとして残していきます。
昔から「日本人は語学の学習が苦手」とよく言われてきました
この文から始まる本書は自分の英語学習のバイブルだ。そして中身を読むと塾講師自体の経験とかなり繋がるものがあり… TOEIC、TOEFL未受験のチキンではありますが、一応海外で働いた身として、また教育業界に身を置いたものとして感想を書いていこうと思う。
外国ができるとはどういうことか
外国語ができる=ネイティブとまったく同じ」という幻想を捨てることから始めてください
毎年、数々のダイエット本が出版されますが、なぜか毎年のように、手を変え品を変え出版されるのでしょうか
まず「楽してペラペラに話せるようになる」ということの否定から始まる笑 色々と詳細はあるのですが、ざっくりまとめると肝は以下になります。
①初級コースを繰り返しやって基礎固め
②音読とリフレイン(脳内再生)
③週に10~12時間割く
④能動的な話の展開
①初級コースを繰り返しやって基礎固め
まず、自分の経験的にも中学生程度の文法を繰り返しやることでほぼ「話せる」状態になる。というか中学生程度の文法とスピーキングが大丈夫だったらかなり話せる部類になる。自分としてもそこまで行けてない感覚なので。
②音読とリフレイン(脳内再生)
よく言われることだが、普通に仕事してるとほぼ仮定法とかなかなか使わない。出てくるのは契約とかスコッドとか本当に込み入った話するときぐらい。そういう時、wouldとかcouldすごい出てくる印象。
③週に10~12時間割く
ある程度まとまった時間を割く必要が出てくるのだが、これは当たり前の話で楽するなってことである。時間を割いても、聞き流し教材で英語がうまくなることはほぼない。そこでセットになるのが音読とリフレイン。聴いた音に近づける作業の意味もあるし、アウトプットを兼ねてる。電車の中とか声出せない時はリフレインがおすすめ。
自分の場合自粛期間中は週に15時間前後使っていた。英語を使わないことで英語力落ちるのが怖いからだった。プロスペクト理論です。
だいたい1時間の海外ドラマが単語調べていると見終わるのに90分程度かかる。+英語の本か新聞/ニュース記事を30分程度読む。どちらも音読かリフレインしながら行う。
④能動的な話の展開
能動的な話の展開というのは、ネイティブと会話していると自分で話を展開していかないといけない。つまりは待ちの姿勢で「会話盛り上げてくれよ」となると沈黙が続く。「相づち文化」も対比として出てくる。
一方で「鉄板トーク」だけしてると知ってる単語しか使わなくなるので、NZにいる時はある程度意識して普段しない話をするようにはしていた。NZの場合、コーチ陣がラグビー以外に、普通に仕事していたりするのでその辺深掘りすると使わない単語が多く出てくるし、色々学べるし楽しかった。浅はかながらラグビーの人とラグビーの話だけしてると間違いなく英語できるようにならねえなあとは思った。
全くもって「ネイティブ」ではないので、いきってんじゃないよと言われるかもしれませんが、読書感想を通して語学学習まとめてみた。暇だしフランス語かスペイン語勉強したいなあ…
最後に。本書で「能動的学習」という言葉がよく出てくる。アクティブラーニングという言葉が流行っていますので思うところをおまけ程度につけておこう。
アクティブラーニングとは
アクティブラーニングとは何か。これは塾講師として教育業界に身を置いた経験からすると、「自分でできることは自分でやること」だ。回りくどく言えば、「座学の否定」ではない。
アクティブラーニングと称して双方向やら、ディスカッションやらというのが流行っているような感じを受けるが自分はこれには反対だ。もちろんディスカッション自体は賛成なのだが、それはアウトプットの量を増やす=インプットの量を減らすではない。つまるところアクティブラーニングとは、「教科書読むだけの授業」を「教科書を読んできた前提のディスカッション」に変えるためのものであって、教科書を読むこと自体の否定ではない。ここに関して意見が合わないなあという人は正直多い。
僕は当時高校受験を担当していたのだが、はっきり言って宿題やらないようなクラスでやるアクティブラーニングは金と時間の無駄だ。そもそもディスカッションにならないし、教え合いにはほぼならないからインプットに倍以上時間かけることになってしまった。自分の腕が悪かったことも考えられるが… ともあれこれは多分塾だけでなく普遍的に言えることだとは思う。
語学も全く同じで、全ての自分のベースは正直高校受験の時に勉強したものが基礎にある。ベースというと抽象的なので具体的にいうと、中3の時にセンター試験で160点前後の英語力だった。それ以降のインプットとアウトプットはほぼ海外ドラマからのみになる。正直海外に行くとワーホリで一年以上いて全く英語話せてない人がけっこう多い。これは原因明らかで、英語全く話せない→英語を使える仕事に就けない→英語を使わない→英語を話せるようにならない、のループが起きるからである。海外に1年行くだけで英語上手くなってたら、多分今頃僕はネイティブより英語上手いはずだ。行ったらどうにかなるだろ精神でどうにもならない人の方が体感的には絶対多い。
塾講師時代に働いていたときに教育学を研究されている方がいらして、彼の言葉が非常に印象に残っている。
学習要領が変わることで今までより「想像力」が重視される。ただ、「想像力」とは0から1を生み出す能力ではなく、1を組み合わせて10にする能力のこと。学習要領は当然増える。
これが前述の「座学の否定」という考えにつながるのだが、そもそも0を1にできる人間はほとんどいない。自分も例に漏れずその類であります。となると、やるべきことは一つであり、手持ちの「1」を増やすこと、これに尽きる。語学にしろ、アクティブラーニングにしろ、インプットのない成長は幻想です。精進します。
Chur !