本サイトでは”現役スポーツアナリスト”の「日々の学び」をブログとして残していきます。
行きつけの書店の店主の方からオススメしていただきましたので感想を書こうと思う。もともと、魔術的リアリズムに近くて遠い表現をしている『変身』は好きな作品の一つだ。ゲーテは読んだことがまだありませんが、これを機に読んでみようと思う。
あらすじ、というか概要
職業、家庭環境、様々な共通項がある中で、「希望の作家」になったゲーテと「絶望の作家」になったカフカの名言の対比をしている作品。ゲーテやカフカを読む前の導入書としてもいいのではないでしょうか。
好きだった言葉をピックアップしていきます。
3. 自分はOK×自分はNG
目立たない生涯。目立つ失敗。(カフカ)
世知辛い世の中だ。半沢直樹で描かれる銀行員のキャリアを思い出してしまう。半沢直樹見て銀行に就職するのだけはやめようと学生時に考えていた。
4. チャンスをつかむ×チャンスに背を向ける
わたしたちが将来こうありたいと願うのは、自分にその資質があると予感しているからこそで、いずれは実現することを、今は夢みているのである。(ゲーテ)
そうはいっても、無理にやってもだめなことはある。精神力だけではうまくいかないときは、好機の到来を待たなければならない。(ゲーテ)
最近よく感じることで、なかなかNZの国境状況等々、いろいろとうまくいかないことばかりだった。今は「待ち」のフェーズなんでしょうね… やれることをやって待つばかりだ。
5. 行動する×引きこもる
たくさんの切っ先が僕の内部に入り込もうとしている。振り払おうと頑張って見ても、切っ先をもっと深く押し込むことになるだけだ。(カフカ)
なかなか頑張ってることと結果が比例していないとこういう気持ちになる。
やるべきと確信していることを、やりとげるだけの力は、誰にでも、まだ残っているものだ。(ゲーテ)
6. 生きる喜び×生きづらさ
苦痛が残していったものを味わえ!苦しみも、過ぎてしまえば、甘い。(ゲーテ)
この5年間いろいろあった。甘い話になったことも一生忘れられないことも。全て後で笑い話にしたいものだ。本当にしんどかった時期は記憶が消えているのだが。人間、しんどすぎるとどうやら記憶が消えるらしい。
よくわからなくなることがあります。人間はどうやって、「陽気」という概念を見つけ出したのか。どうやら、悲しみの反対のものとして、考え出しただけのようです。(カフカ)
『人間失格』の、「コメ」「トラ」のくだりを思い出した。人生とは「コメディ」なのか「トラジェディ」なのかという議論だ。
「~死は?」「コメ。牧師も和尚(おしょう)も然りじゃね」「大出来。そうして、生はトラだなあ」
7. 仕事のやりがい×仕事が苦痛
仕事の重圧は、いいものだ。それから解放されたとき、こことは一段と自由になり、人生はいっそう楽しくなる。仕事もせず、ただ快適に過ごしている人ほど、みじめなものはない。そんな人には、どんな天の恵みも、ただ不快なだけだろう。(ゲーテ)
力をつくして働くものよ、おまえは手に入れられる、お前は期待していい。(ゲーテ)
プレッシャーのない仕事は成長しないというのはある程度確かだが、自分が誰かと働くときは人にプレッシャーかける=パワハラに対して最大限注意を払っていきたい。
11. 親を超える×親に圧迫される
父の苦労話を聞くのは不快だ。今の若いもの、とくに自分の子供たちの恵まれた境遇について、たえずあてこすりながら、自分が若い頃に辛抱しなければならなかった苦労について話す。父は確かにそういう苦労をしたし、ぼくはたしかにそういう苦労をしなかったが、だからといって、ぼくのほうが父よりも幸福だったということにはならないのだ。父はそのことを理解しようとはしない。(カフカ)
古代エジプトでも「今の若い奴は〜」という話があった、というのは有名な話だ。おじさんの昔話自慢は勉強になる一方、こすり倒されすぎた話は聞くに耐えない。自分も気をつけようと思う。そういえばカルチャーギャップに関して面白いnoteがあった
https://note.com/embed/notes/n6fc5d0b78b45
ゾロリとか鎮座DOPENESSとかわかる話題が多くて面白い。せいやの文春砲事件から私も聴き始めた。
終わりに
やっぱり文豪の言葉は言い回しが勉強になる。日々言葉を学ばねば。