本サイトでは”現役スポーツアナリスト”の「日々の学び」をブログとして書き残していきます。
高校時代の友人と国語教師の方に勧められて拝読。(度々名前を出していますが、『物語論 基礎と応用』の橋本陽介さんです。)
あらすじとしては、妻の浮気を知った青年が地下鉄で痴漢をする、というお話。
過剰な「自意識」が大江健三郎は有名と聞いていましたが、読んでみてよくわかった笑 もう一人の日本人ノーベル文学賞受賞作家川端康成については、『美しい日本の私』『伊豆の踊り子』などは昔に読んだが大江は初めて。こんなにも作品性違うんだな、と。一方でネットで調べてみて一番しっくりした大江のコメントは
「戦後文学者」が当事者として表現したとおりに、大きい悲惨と苦しみのなかから再出発しました。新生に向かう日本人をささえていたのは、民主主義と不戦の誓いであって、それが新しい日本人の根本のモラルでありました。しかもそのモラルを内包する個人と社会は、イノセントな、無傷のものではなく、アジアへの侵略者としての経験にしみをつけられていたのでした。また広島、長崎の、人類がこうむった最初の核攻撃の死者たち、放射能障害を負う生存者と二世たちが――それは日本人にとどまらず、朝鮮語を母語とする多くの人びとをふくんでいますが――、われわれのモラルを問いかけているのでもありました。
『あいまいな日本の私』