日々の学び:くどうれいん『虎のたましい人魚の涙』

ここのところ、「私小説」や「エッセイ」への熱が再燃してきている。ヒップホップも好きなのだが、つまるところ他人の「自分語り」が好きなのかもしれない。

くどうれいんさんは短歌を勉強し始めたタイミングで、同年代の歌人がいるということで知った。ただの自分語りでは終わらせない情緒ある文章が好きで、『うたうおばけ』からエッセイのファンになっている。もちろん同じ年代なので世に対して感じるものは近いが、それを現代っ子あるあるに終わらせず文学に昇華しているところが何より好きだ。

好きな文章を一つ紹介。

うどん、としか書いていない看板のうどんが、驚くほどうまく、安く、後払いであるということが途方に暮れるほどクールだと思った。〜わたしの尊敬するうどん屋が「うどん」だけ名乗ってつべこべ言わず淡々とうまいうどんを出す。それならわたしは「作家」と名乗り、淡々と書けばいい。

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