アメリカに滞在する日本人で、自分の日本性を除去することにより、アメリカに融け込もうとする。あるいは融け込んだつもりの物がかなりいるが、側から見ると、大変に滑稽である。
〜私にはそういった人々が真にアメリカ的だとは思えない。彼らは単に意味のない平均値に近いというだけの言わば、「日本的でない日本人」にすぎない。
「買ってはみたものの、『国家の品格』が右すぎるから何となく億劫になって読めないんですよね〜」と知人に話していたら、「藤原正彦の思想は戦争の時に満州から亡命したことが根底にある」ということを聞き即読み始めた。ただのアメリカ留学数学おじさんではなかったらしく、強い民族意識を感じいる一冊だった。
以下wikipediaから藤原正彦のプロフィールを抜粋。
戦後いずれも作家となった新田次郎、藤原てい夫妻の次男として、満州国の首都新京に生まれる。ソ連軍の満州国侵攻に伴い汽車で新京を脱出したが、朝鮮半島北部で汽車が停車したため、日本への帰還の北朝鮮から福岡市までの残り区間は母と子3人(兄、本人、妹)による1年以上のソ連軍からの苦難の逃避行となった。母・藤原ていのベストセラー『流れる星は生きている』の中でも活写されたこの経験は、本人のエッセイの中でも様々な形で繰り返し言及されており、老いた母を伴っての満州再訪記が『祖国とは国語』(2003年)に収録されている。
Wikipedia
これを踏まえると、『国家の品格』の内容は合点がいくし、『若き数学者のアメリカ』の内容は非常に興味深かった。アメリカに「情緒」を見出す話が一番「情緒的」で、アメリカのだだっ広い荒野と日本の山が重なる絵が思い浮かぶ。