日々の学び:安斎勇樹・舘野泰一『パラドックス思考 ― 矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』

『問いかけの作法』以来の新刊。読んでから感想を書くまでに少し間が空いてしまった。VUCA – Volatility / Uncertainty / Complexity / Ambiguityの時代と呼ばれ、複雑さが増した昨今。そんな複雑系の世界を生きるためのマインドセットとビジネス的ハウツーが混ざった不思議な一冊だった。いつものことながら非常に勉強になります。

視界にモザイクがかかったような状態に置かれると、「どうすればうまくいくのかわからない」という問題解決における根源的な悩みに帰着します。〜人間は「わからなさ」だらけえのストレスフルな状況に立たされると、今度は「自分が何をしたいのかわからない」という内なる「感情のわからなさ」に悩まされます。

「感情のわからなさ」を紐解く中で人間の動機を整理した表現が出てくる。

動機づけの原理
・人は「不快(負の目標)」を回避したがる
・人は「快(正の目標)」に接近したがる

実際にはこんな単純なものではなく、矛盾した感情=感情パラドックスが人には現れる。

1 【素直⇄天邪鬼】
2 【変化⇄安定】
3 【大局的⇄近視眼的】
4 【もっと⇄そこそこ】
5 【自分本位⇄他人本意】

これらを言語化しながら「リフレーミング」(=言い換え)を行っていくことで、パラドックスが両立不可能なものなのか疑いをかけていき、新たな関係性を模索する。このアプローチは個人単位と組織単位で少し違いがあり、組織レベルの問題解決はリーダーシップ論に近い。

(1)私たちの「欲張りの源泉」を考える
(2)組織の「内」と「外」に向かう感情Cを明確化する
(3)チームレベルの”ウルトラC”の解決策を生み出す

特に「欲張りの源泉」をより強固に、より明確なものにしていくためには「真善美」の問い直しが日々必要となる。

真:自分にとって何が「正しい」のか?
善:自分にとって何が「よい」のか?
美:自分にとって何が「美しい」のか?

「ミッション・ビジョン・バリュー」に考えとしては近い。

あくまで自分用の備忘録であるので、非常に不親切な何が何だかわからない文章になっていると思う。特に管理職の感情パラドックスは共感できる部分があるので、迷った時にはもう一度読み直そうと思う。

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