ボッシュの本を読むための、複雑系の予習の一冊として拝読。読んだのは結構前なので、過去読んだものの備忘録となる。
どれほど複雑な問題であっても、正しい見方をしたときに、なおいっそう複雑なものにならない問題にはお目にかかったことがない。──ポール・アンダーソン
直視しましょう。世界はごちゃごちゃだということを。非線形で、乱流のようで、ダイナミックなのです。数学的に美しい等式ではなく、どこか別の場所へ向かう道上でのつかの間の挙動に時間を費やします。自己組織化し、進化します。多様性と画一性を作り出します。それが、世界を興味深いものにし、美しいものにするのです。それがあるから、世界は機能するのです。
複雑系の本の中ではトップクラスに平易な言葉で書かれており、わかりやすい。
少しの間、この定義をじっと見てみると、「システムとは3種類のものからなっている」ことがわかります。「要素」と「相互のつながり」、そして「機能」または「目的」です。
そして、例に漏れずバランス型フィードバックループと自己強化型フィードバックループに関する具体例を多く紹介してくれている。メンタルモデルやメタなフィードバックループ改善についても紹介されており、例に富んでいる。
複雑系関係の本を読み進めると、ほとんどの本が同じことを言っていることに気づく。同じジャンルの本を読んでいるので極めて当たり前なのだが。つまるところ以下の要素に集約される。
・構成要素
・要素間の相互関係(バランス型/自己強化型フィードバックループ)
・メンタルモデル
最後にすごいしっくり表現があったので、紹介。複雑系とは自転車のような「動的安定」なのだと思う。
システム思考家は、世界を「フローの操作によってその水準を調整するメカニズムが付いているストックの集合体」として見ています。