よく「データ分析を導入した」とか「AIを導入した」というパワーワードが飛び交う昨今だが、果たしてどの程度の企業・チームが地に足ついたデータ分析をしているのだろうか。この疑問に対する答えがワークマンの経営。データ分析を活用すると言う観点で非常に良い一冊だった。
負ける勝負はしない。競争して負けるぐらいなら、最初から勝負しないほうがましだとさえ考える。
この経営理念のもと、変わりゆく時代の流れを敏感に感じ取って新たな業態の経営を生み出して行く。新たな業態に前例はない。その際に重要なことは「前例踏襲」ではなく「データ分析」による経営となる。
ワークマンが実践していた「データ分析」は複雑なAI等ではなく、明らかに計画実験法とA/Bテストだった。ある地域に実験的な支店を作り、成功したら似た地域で同じ施策、そして全国展開ととにかく細かいA/Bテストを繰り返す「データ分析」がワークマンの躍進にあった。よくある「データ分析」だと過去から振り返ってそれが「平均への回帰」なのか上昇・現象なのか全てが不透明なケースが多い。特にコンサルティングの資料。(僕の偏見も多分に含まれていますが)
ビジネスもスポーツも同じ「複雑系」。その「複雑系」の中で可能性を高めていく。そのための計画実験法とA/Bテスト。NETFLIXもこのA/Bテストを繰り返すことで有名であり、大切なのは必ずしもAIとか複雑な機械学習ではないのかもしれません。
ワークマンの「データ分析」は非常に参考になる例だった。データ分析関係なく響いた言葉を一つ引用。
変えるべきところは大胆に変える。しかし、買えなくてもいいことまで変える必要はない。